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「FROZEN SUMMIT in 北陸」で知る、特殊冷凍の最前線!

近年、食品業界では、冷凍技術の活用が進んでいるのです。その背景には、人手不足・後継者不足・気候変動による生産不安定などの課題があります。冷凍を取り入れることで、調理工程を簡略化し省人化や効率化を実現できるほか、余剰在庫を計画的に活用して食品ロス削減や利益改善にもつながります。さらに、冷凍販売によって通販やECなど新たな販路開拓できる点も大きな魅力です。近年は急速冷凍など技術革新が進み、解凍後も高品質を維持できるようになりました。冷凍は今や「保存手段」を超えて、業界の成長を支える戦略的なツールとして注目されています。

「FROZEN SUMMIT in 北陸」とは?

2025年8月20日スパックラボ(パッケージプラザ高岡店内)にて「FROZEN SUMMIT in 北陸」を初開催いたしました。このイベントを通して北陸の皆様に急速冷凍機の活用方法や様々なお悩み解決などにお役に立てたらという思いから今回このようなイベントをデイブレイク様ご協力の元、開催する運びとなりました。今回はお寿司屋さん、鮮魚店さん、洋菓子屋さんなど約20名の方にご参加いただきました。ご参加くださった皆様ありがとうございました。

今回のイベントでは、急速冷凍の基礎知識の紹介、事例発表、フルーツ凍結デモ、試食会など盛りだくさんな内容でした。

デイブレイクさんはテレビ番組の『ガイアの夜明け』で2年連続特集されており、作り手から食べ手までのよりよい未来を創造することをミッションとして掲げて活動されています。

事例発表では、全国の飲食店やスーパー、水産卸などの実際に導入して活用されている企業の方の紹介がありました。実際に急速冷凍を導入して活用されている富山県の聖徳丸さんにお越しいただき様々なお話をしていただきました。聖徳丸さんは、富山県朝日町で漁師をされていて「食べチョク」ECサイトで仕入れ、加工、出荷を行っています。

急速冷凍機を実際に導入されてから、売上は2倍になったそうです。急速冷凍機があるのとないのでは、注文を受けるのも限られてしまい、機会損失にも繋がっていたそうです。特に年末年始のカニの需要が増えるのに対して、商品が足りなかったり、仕入れる場合も価格が高騰してしまうため利益の減少にも繋がっていました。しかし、急速冷凍を導入することでこれらの問題を解決することができました。

急速冷凍の試食会では、お寿司、フルーツ(ぶどう・梨・桃)、シフォンケーキ、ご飯、ホタルイカを行いました。フルーツは実際に包丁で切っていただき、急速冷凍ならではのサクッと包丁が入るのも体験していただきました。シフォンケーキも一度冷凍したとは思えないほどフワフワで試食していただいた皆様にも急速冷凍の良さ、すごさを感じていただけたと思います。

冷凍機をうまく使いこなす5つの意識革命!

実際にいろいろな急速冷凍機がありますが、うまく使いこなせているのは、導入企業のたった3%なのです。急速冷凍機をせっかく導入しても、その後の保管の仕方やオペレーションの違いで品質に圧倒的な差が出ます。デイブレイクさんでは、食材の選定から高品質な冷凍食材を消費者に届けるところまで、全てのフェーズにおいて「高品質冷凍」を実現するための細かなノウハウを所有&コンサルティングされています。

最適なオペレーション構築に向けて5つの意識改革を行います。

レシピ改革:冷凍に適した具材選びや味付けへの変更が必要です。例えば、冷凍後に風味が落ちやすい調味料を避けたり、加熱後に香りが立つ工夫を加えることで、解凍後のおいしさを保てます。

前処理改革:酢の配合や切り方ひとつで、食材の食感や見た目に大きな違いが出ます。冷凍前のひと手間が、最終的な品質を大きく左右します。

凍結改革:商品を包装せずにそのまま、カップに入れる、包材で密封するなど、凍結方法で速度や仕上がりは変化します。急速冷凍機の特性を理解し、商品に合った方法を選ぶことが重要です。

保管改革:凍結後の保管方法も品質を決定づけます。温度管理の徹底や積み方の工夫によって、鮮度や食感を維持することができます。

解凍改革:最後に欠かせないのが解凍です。電子レンジや流水、冷蔵庫など食材に適した方法を選ばなければ、せっかくの努力も台無しになります。

この5つを意識して取り組むことで、急速冷凍機の性能を最大限に引き出し、安定した品質と高い満足度の冷凍食品づくりが可能になります。

知っておきたい!冷凍機の種類と特徴

食品の保存や流通に欠かせない冷凍技術ですが、冷凍機にはいくつかの種類があり、それぞれの特性や仕上がりが異なります。まず一般冷凍は、低温でゆっくり冷やして保存する方法です。導入コストも比較的低く、広く利用されています。しかし、氷の結晶が大きくなりやすいため、解凍後にドリップ(旨味成分を含んだ水分)が出やすく、品質劣化につながるのが課題です。

一方、急速冷凍は短時間で一気に温度を下げるため、品質保持には有効です。食品内の氷結晶を小さく抑えられるメリットがありますが、冷気の強さによっては表面が乾燥したり、逆に細胞を傷めてしまい、食感や見た目に影響を与える場合もあります。

そこで注目されているのが特殊冷凍です。(今までスパックで急速冷凍機のご紹介をしていたものはこの特殊冷凍にあたります。)超微細な冷気で食材を包み込み、細胞を壊さず凍結させるため、解凍後も鮮度や食感が維持できます。代表的な機器が「アートロックフリーザー」で、独自のマイクロウィンドシステムによるミスト状の冷気が乾燥を防ぎながら均一に冷却してくれるのです。魚や肉はもちろん、繊細なスイーツまで幅広く対応できます。

このように冷凍機の特性を理解し、食材や用途に合わせて最適な方式を選ぶことは、単なる保存のためではなく「品質をデザインする」取り組みといえます。冷凍技術を正しく活用することで、新たな商品価値やビジネスチャンスが広がっていくのです。

まとめ

いかがでしたか?「FROZEN SUMMIT in 北陸」の前半の内容をお届けしました。実際に導入されている人の声を直接聞けて大変貴重な機会でした。また、様々な種類の急速冷凍したものを実際に試食していただき、実際の仕上がりを体感していただけたのではないかと思います。

次回「FROZEN SUMMIT in 北陸」後半の内容をお届けします!

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