レトルト食品って体にいいの?安全性や健康バランスについて徹底解説
レトルト食品の普及は私たちの忙しい日々に便利さをもたらしていますが、その背景には厳格な安全基準があります。この記事では、レトルト食品がどのようにして食品安全性を確保し、消費者の信頼を得ているかを詳しく見ていきます。
レトルト食品の安全基準
レトルト食品は、製造プロセスにおいて高温での加熱と密封が行われており、それによって微生物の活動を停止させることができ、長期保存が可能になります。
レトルト食品の殺菌条件・ポイントについて詳しく解説していきます。
①基本的に加熱調理できるものはレトルト処理が可能
食品の中でも熱に弱く、変色する、異臭発生、熱分解、組織が変化するなどの高温加熱により本来の味が変化する食品はレトルトに適しません。
②ボツリヌス菌による食中毒防止
食中毒菌の大腸菌O-157は、75℃で1分間の加熱で死滅します。また、多くの病原菌、食中毒菌も耐熱性は低いです。しかし、ボツリヌス菌は耐熱性があり、食中毒になると致死率が高く、治療も困難です。このことから、ボツリヌス菌による中毒を防止することが基本的に必要となります。
③殺菌条件
ボツリヌス菌は120℃4分間で死滅することがわかっています。一般的なレトルト食品では、中心温度120℃・4分の加熱(F値=4.0)が最低条件です。このような殺菌条件を可能とするレトルト装置がレトルト食品開発には必須となります。
レトルト食品の殺菌は一般的には「レトルト殺菌装置」により、120℃以上で4分間以上の加圧加熱殺菌を行っています。食品衛生法では、レトルト食品の殺菌補法について一定の基準を設けているので細菌の繁殖などの問題はありません。
そして、菌の検査を行います。通常の無菌試験は、35℃で2週間保管して菌が発育するかを検査します。(菌数が0か否か)無菌検査(発育しうる微生物試験)で生菌数がゼロであればレトルト処理されていると判断できます。
このようにしっかりと加圧加熱処理され、検査が通ったものがレトルト食品として販売されています。
レトルト食品の健康バランス
レトルト食品と聞いたときに安全なの?栄養はあるの?と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?レトルト食品は、長期保存に向いており、便利ですが、栄養や安全面について少し気になりますね。栄養価・安全性の2つについて解説します。
①レトルト食品の栄養価について
レトルト食品はカロリーが高くて栄養価がないのでは?と疑問が湧いてきます。よく勘違いしてしまいがちですが、レトルト食品はインスタント食品とは違い※エンプティカロリーではありません。(※エンプティカロリー=カロリーは高いが栄養価がない)とはいっても、高温加熱されるので素材の新鮮さは失われてしまいます。また、レトルト食品の多くは、味が濃いのが特徴です。レトルト食品だけでは塩分過多となるので新鮮な素材との組み合わせがおすすめです。レトルト食品は、タンパク質や糖質が多いので、バランスを考えて上手に利用できたらいいですね!
②レトルト食品は安全なの?
レトルト食品には、保存料などの添加物がたくさん使われていると思われがちです。しかし、食品衛生法によって、レトルト食品が属する「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」に関して、保存料や殺菌料の使用が禁止されているのです。人工的な薬物が使用されることはなく、120℃以上・4分以上の高温高圧殺菌によって完全に滅菌されています。菌検査も重ねられることにより安全性が担保されています。そして、包装に使用されているレトルトパウチの素材も厳重な安全検査により規格が徹底されています。内側のフィルムも、発がん性検査などが行われており厳しく管理されています。また、厳重な安全性試験などが行われてから使用されるため、ダイオキシンや環境ホルモンなど、環境汚染物質を心配することなく使用できます。
食品表示の見方
普段何気なく目にしている食品表示ですが、消費者向けに表示されている5つをご紹介します。
①名称
食品表示基準に定める名称の用語を用いて「ハンバーグ」「カレー」「スープ」「混ぜご飯の素」などの表示をします。名称の規定がないものは、内容物を識別できる最も一般的な名称が表示されています。
②原材料名
使用した添加物以外の原材料を割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示します。砂糖類を複数使用している場合は規定があるのでそれに準じて表示されています。使用した肉、魚、野菜、果実又はつなぎが2種類以上ある場合は、「食肉等」「野菜・果実」「つなぎ」などの文字の次に括弧をしてそれぞれ「牛肉、豚肉、豚肝臓」「たまねぎ、にんじん、レモン」等と原材料に占める重量の割合の高いものから順に表示。スープのうきみ原料も「うきみ」の文字の次に、括弧をつけて、素も一般的な名称で原材料に占める割合の高いものから順に表示されています。
ハンバーグやミートボールのソース原料は「ソース」の文字の次に、括弧をつけて最も一般的な名称を原材料に占める重量の割合の高いものから表示されているのです。
③殺菌方法
レトルトパウチ食品又は、容器包装詰加圧加熱殺菌食品である旨を明記されます。
レトルトパウチ…容器包装の見やすい箇所に、8ポイント以上の大きさの活字で表示されています。
容器包装詰加圧加熱殺菌食品…「機密性容器に密封し、加圧加熱殺菌」等と食品を機密性のある容器包装に入れて、密封した後に、加圧加熱殺菌した旨を表したものを容器包装の見やすい箇所に表示されています。
④内容量
計量法の特定商品に該当し、内容重量は固形量及び、内容総量をグラム又はキログラムの単位で明記し表示があります。
⑤配合割合
カレー、パスタソース、牛丼のもと、ミートボールなど、食肉、魚肉当の割合が規定に定める割合に満たない時は、パーセントの単位で、配合割合を容器包装の見やすい箇所に表示してあります。
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まとめ
いかがでしたか?私たちの生活で何気なく食べているレトルト食品について疑問に思っていた部分もあったのではないでしょうか?レトルト食品はとても便利でいろいろな場面で使用することがあると思います。便利なレトルト食品を上手く活用できたらいいですね。
パッケージプラザ高岡店には、レトルト食品を簡単に作ることができる達人窯が置いてあります。しっかりとした加圧加熱殺菌も行えるものなので興味のある方はお声がけください!