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SPAC Lab

食品ロス対策の先へ。計画生産を可能にする、スパックの取り組み

人手不足、原材料価格の上昇、長期化する価格競争。地域の食品事業者を取り巻く環境は、厳しさを増しています。

株式会社スパック 代表取締役社長の晒谷昌克が、解決の糸口として注目するのが「賞味期限を延ばすこと」です。食品を長持ちさせるだけでなく、生産の波をならして計画生産を可能にし、現場の働き方と事業者の収益性を変えていく。

商品開発と保存技術の支援、そしてSPAC Labを通じて、スパックは地域の食品産業にどのような未来を描くのか。社長の晒谷に聞きました。

安さの競争から抜け出す。食品業界が抱える構造的な課題

晒谷が捉えている大きな課題は、「人手不足」と「低収益」です。両者は別々ではなく、利益が出ないため待遇を改善できず、人が集まらないという悪循環になっています。廃業する事業者も増え、地域の食品産業そのものの継続性が低下しているといいます。

1. 背景にある低価格志向

約25年続いたデフレの中で、「安いことが正義」という低価格志向が定着しました。人口減少が進む中でも価格競争が続き、富山県内でも小売企業間の競争にメーカーや納入業者が巻き込まれ、収益性が下がってきました。円安や輸入価格の上昇で物価は上がった一方、賃金の上昇が追いつかず、利益を確保しにくい状態が続いています。

2. なぜ商品開発が必要なのか

同じ商品を売り続ければ、類似品が現れ、最終的には価格競争になります。そこから抜け出すには、オリジナル商品や新しい価値をつくり、粗利を確保する必要があります。

一方で、多くの食品事業者は社長自身も製造現場に入るほど忙しく、商品開発に必要な時間・労力・人手を確保できません。必要性を分かっていても着手できないことが、現場の大きな矛盾になっています。

3. なぜ賞味期限に注目したのか

スパックでは約10年前に急速冷凍機を導入し、冷凍商品の開発支援を始めました。その過程で、冷凍に限らず「賞味期限を延ばすこと」が複数の経営課題を同時に解決すると気づきました。

賞味期限が一日、二日延びるだけでも、生産量の波をならし、計画生産が可能になります。早朝勤務や繁忙期の集中作業を減らし、日中の働きやすい時間帯で人を確保しやすくなるほか、残業・人件費・食品ロスの抑制、小売店で販売できる期間の延長にもつながります。

「賞味期限を延ばすことで一番大きいのは、計画生産ができること。食品ロスを減らすだけでなく、働き方や生産性そのものを変えられます」

商品を売るのではなく、顧客の収益性を一緒につくる

スパックが目指しているのは、機械や容器を提案して終わる支援ではありません。顧客が実際に試作し、商品化するところまで進める伴走型の支援です。「次までにこれを試しましょう」と計画そのものを動かし、人手不足の顧客に代わって商品開発の手前まで準備することを大切にしています。

具体例① 細工かまぼこ

正月向けの鯛の細工かまぼこは、色付けなどを手作業で行い、約1万個を製造します。短期間にすべてをつくるのではなく、早い時期から製造して急速冷凍する方法を試しています。繁忙期の作業を前倒しできれば、年末に人員を集中させず、計画的に生産できます。賞味期限延長と計画生産の効果を最も具体的に示しやすい事例です。

具体例② 規格外の呉羽梨

呉羽梨では、糖度が基準に足りない、玉が小さい、表面に擦れがあるといった理由で、食べること自体には問題がなくても流通に乗せにくい規格外品が出ます。一部は菓子店などで活用されていますが、梨は傷みが早く、活用量には限界があります。

そこで、冷凍やピューレ加工によって菓子などの原料にできないかを検討しています。単なる廃棄削減ではなく、地域の特産品を使った新しい商品開発につなげる構想です。

具体例③ 富山の水産資源

富山は魚種が豊富な一方、魚種ごとの漁獲量が少なく、数匹だけでは商品として販売しにくい場合があります。少量ずつ水揚げされた魚を冷凍し、まとまった数量になってから販売・加工できれば、地域資源を有効活用できる可能性があります。取材では、少量のサンマを蓄積し、100匹程度にまとめる例が挙げられました。

一方で、食品によって冷凍との相性は異なり、解凍後の味・食感・見た目をどこまで再現できるかが課題です。技術の検証と実例の蓄積を重ねることが、次の提案につながります。

SPAC Labを、地域の知恵と実験が集まる場所へ

目指しているのは、SPAC Labを単に機械を試す場所にすることではありません。

生産者、食品加工会社、菓子店・飲食店、小売店など、地域にはさまざまな立場で食品に関わる事業者がいます。それぞれが持っている経験や知識、現場で感じている課題、商品づくりのアイデアは、地域にとって大切な「知恵」です。SPAC Labでは、そうした知恵を持つ人たちが情報を交換し、実際に試し、学び合える場所を目指してます。

①技術だけでなく、マーケティングも学ぶ

食品事業者は、良いアイデアが浮かぶと「まず商品を作ってみよう」と考えることがあります。しかし、商品を一時的なアイデアで終わらせず、継続して販売していくためには、製造技術だけでは十分ではありません。「誰が買うのか」「誰のための商品なのか」「どのような課題を解決するのか」「どこで、どのように販売するのか」こうした視点を整理することも、商品開発には欠かせません。

SPAC Labでは、急速冷凍や真空包装などの保存・加工技術を実際に試せる環境に加え、商品企画やブランディング、販売方法などについても考えられる場にしていきたいと考えています。

②地域の「つながり」から、新しい商品を作る

一つの事業者だけでは解決できない課題も、異なる分野の人が知恵を持ち寄ることで、新しいアイデアにつながるかもしれません。「生産する人、加工する人、販売する人が情報を交換し、アイデアを持ち寄れる場にしたい。そこから地域の新しい商品が生まれる」と考えています。SPAC Labは、機械や技術を試すだけではなく、人と人とが出会い、学び、実験し、次の一歩を考える場所を作っていきたいと思います。地域にあるさまざまな経験やアイデアをつなぎながら、食品事業者の商品開発や新たな挑戦を支える「地域の共創拠点」を目指していきます。

まとめ

いかがでしたか?スパックでは、ご紹介した想いで、商品開発のお手伝い・セミナー・機械の貸出などを行っています。問題を解決しないといけないのは分かっている。新しい商品を作りたいがどうしたらいいのか困っている。賞味期限を延ばしたい。などございましたら一度ご相談ください。

まずは、私たちと問題を解決する糸口を一緒に探しましょう!

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